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ゴーヤ泡盛の野毛日記

ゴーヤ泡盛の野毛日記

たまや*(閉店)

昭和の良さをそのままに残したおでん屋がある。
中央通りと仲通りがぶつかるところにある「たまや」だ。

見るからに怪しいつくりでうれしくなる。
横引きの扉を開けるとすうっとタイムスリップする。
4人がけのテーブルが3つ。カウンター6席。

やきとり¥130.-~、おでん¥100.-~。
生ビール¥430.-酒¥400.-と壁にメニューが並ぶ。

なつかしい感じがしますねと言うと、創業35年で、
サッシを替えた以外はすべて当時のままで
手を入れていないのだそうだ。

昭和一桁のおやじさんは頑に
この店のスタイルを守ろうとしている。

娘が生まれたが店は継がないから、
私の代でこの店は終わりだとサバサバしている。
パッと咲いて散る花火のようだ。

聞けばお嬢さんは私と同い年。
正にお父さんだ。

大根、昆布、こんにやく、さつま揚げ、はんぺんと頂いた。

ここのはんぺんは大きくてふわふわだ。
ふわふわだが決して形が崩れてはいない、
しっかりしたはんぺんだ。
そのはんぺんは銚子産だよと教えてくれる。
なるほど。
銚子はサメ類の水揚げ量が多いので練り製品が特産品なのだ。

常連さんが入ってきて、
八戸のいかの一夜干しを焼いてくれと言う。
以前は備長炭を使っていたそうだが、
最近は環境を考えてリサイクル品だそうだ。
待てないから鹿児島のうるめもと追加オーダーする常連さん。
どっちも変わらないよとおやじさん。

そろそろ引き上げようと腰を上げると、
娘に会えるみたいだ、一ヶ月に一回でいいからお出でよ
と言われた。

ごちそうさま。


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